もはや強盗?押し買いの手口とは?高齢者や1人暮らし女性は要注意

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この数字は、2016年に国民生活センターに寄せられた「押し買い」被害の相談件数です。

高級品の「押し売り」ならぬ、家の中の貴重品を悪徳業者が無理やり買い取っていく「押し買い」の被害は年々増えています。

▶「押し買い」とは何なのか、どういう手口があるのか知りたい
▶自分(または家族や知人)が押し買いにあってしまったかもしれない

この記事はこうした方に向けて書いています。

「押し買い被害にあった!」と気づいたときは
「188(イヤヤ)」
へお電話ください。最寄りの消費生活センターにつながります。

「押し買い」とはどんなトラブル?

Wikipediaには、下記のとおり表記されています。

押し買いとは、強引に、なんらかの品を法外な安値で買ったことにして持ち去ってしまう行為のことである。悪徳商法のひとつである。

引用:Wikipedia

「押し買い」が通常の不要品買取と大きく違っている点は、売る本人の意志が尊重されないということです。

本人が望んでもいないのに、悪徳買取業者が強引に貴金属など値打ちのあるものを、タダ同然の価格で買い取っていく…そんな卑劣な買取のことを「押し買い」と呼ばれています。

 

押し買いのターゲットにされやすい人の特徴

押し買いのターゲットにされやすい人には特徴があります。

  • 高齢者(特に認知症の方)
  • 1人暮らしの女性

主にこうした弱い立場にある人が狙われるのです。
なので、もっとも多いのが単身の高齢者女性ということになります。

お人良しな雰囲気の買取業者の人が急に態度を豹変させ強引な態度をとると、そのギャップから恐怖心が倍増します。

しかも一人暮らしで、まわりに助けてくれる人がいません。

悪徳業者はそういう人の弱みにつけこんでくるのです。

押し買いの種類

押し買いは2012年以前は飛び込み訪問営業が多く、急に自宅に押しかけるケースが多かったのですが、「人の家のものを無理やり買い取って封筒だけ置いて去る」など、あまりにも酷い事例が目立ち、2013年2月に法改正され飛び込み訪問営業が禁止されました。

代わりに増えてきたのが、電話で訪問の約束を取りつけ、本人の許可を得て家に上がり込んで来るケースです。

飛び込み訪問営業

飛び込み営業は2013年以降禁止されました。
なので、現在は女性が電話で約束をとりつけてから男性が自宅に訪問してくるスタイルが多くなっています。

電話営業

電話で話していたのは女性だったのに家に来るのはの別の強面男性だったり、電話ではいい人だったのに家に入れたら急に態度を豹変させたりして、無理やり貴金属などを買い取っていきます。

押し買いの特徴

「押し買い」にはさまざまな手口がありますが、通常の買取ではありえない「押し買い」ならではの特徴がありますので紹介します。

特徴1「脅し」

「貴金属がないなら訪問の手数料を請求する」と大声で怒鳴られるなど、理不尽な理由で大声でどやされます。

1人暮らしの女性の場合は特に、男の人と家に1対1になった状況ですごまれると委縮してしまいますよね…。

特徴2「クーリングオフ」のまともな説明がない

貴金属等を強引に持ち去っていく場合、査定結果の理由はもちろんクーリングオフの説明も行うことはありません。これは法律的に問題があります。

本来は説明義務がある「8日間以内ではクーリングオフできる」という部分の説明をせずに「クーリングオフを行使しない」という欄にチェックをさせ、本当はできるはずのクーリングオフがもうできないと思いこませる悪質なケースもあります。

特徴5 最初は「善意」を装ってくる

最初にかけてきた電話では、「リサイクル」や「社会貢献」など響きのよい言葉を使って慈善活動をしている風を装ってきます。

「貧しい国に送るんです」と言われると情に弱い人はほだされてしまうでしょう。

ですがそれは訪問の約束を取り付けるための巧みな罠です。

特徴4 売るつもりがないものの「要求」

古着と食器を売ろうとしていただけなのに、悪徳業者に宝石を出してほしいと要求されるケースもあります。笑顔だった業者が急に豹変することで、消費者は驚き怯えて断れなくなってしまいます。(この行為は違法です)

押し買い業者は、ターゲットの家にある価値がつきそうなものは根こそぎ奪っていこうとするのです。

押し買いの実際の手口

過去に実際にあった「押し買い」の手口を紹介します。先に知っておくことで同様の電話があったとき、撃退しましょう。

実例1 「見るだけでいいので」

60代女性の実例。もはや強盗です…でもこれが定番の手口らしいのです。

感じのよい女性が突然家に電話をかけてきました。

業者:「靴を買い取りたい東南アジアに送ると喜ばれるんです」

とやさしい口調で言ってきます。
そこで60代の女性は人助けになると思い、家に訪問することを許してしまったのです。

なぜかいかつい男がやってきて7足の靴を査定。
すると、

業者:「腕時計はありませんか?」

と突然別の要求をしてきます。

女性:「ないです。」

といっても業者は家に居座ります。

業者:「万年筆は?ネクタイピンは?」

女性:「帰ってください」

業者:「もう少しで帰りますから」
「アクセサリーは?貴金属は?結婚指輪はありませんか?」
「見るだけでいいので」

ここで女性、何時間も居座る業者にたまりかね、「見るだけなら…」と早く帰ってほしい一心で業者に指輪を見せてしまったのです。
指輪を見せた瞬間取り上げられ査定されてしまいます。

女性:「使うので返してください」

と言っても後の祭り。

業者:「もう買い取ったので返せません。それではサヨナラ」

押し買い業者は小銭程度のお金を置いて去って行ったのでした。

参照・参考:テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」

クーリングオフ行政書士事務所代表 吉田安之氏によると、

被害を防ぐには、電話営業でかけてきたタイミングで断るのが一番良いということです。

でも、最初は「人助け」だと嘘をつかれているので、やさしい高齢者女性にとって未然に防ぐのはとても難しい話です。

実例2 あんなに良い人だったのに急に腕をつかまれ…

購入額30万円以上の品が1700円で買い取られてしまった50代女性

50代の女性が不要な着物を買い取ってほしいと自ら業者に依頼しました。

業者:「300円で買取します」
女性:「よろしくお願いします」

ここまでは和やかな雰囲気で商談がまとまりました。
…しかしここで業者の態度が豹変!

業者:「ついでに指輪も査定してあげる」

と突然強く腕をつかみ、指輪を奪おうとします。
女性:「ヒエッ!」

指輪はおばあちゃんの形見だったため、なんとか買取阻止に成功します。
しかし…

業者:「じゃあ他の物を見せてください」
女性:「ヤメテ…」

男の豹変に驚き怖れた女性は仕方なく、ネックレスや指輪など購入額30万円以上の品を出してしまったのです。

業者:「他には?」
女性:「もうないです」

すると、業者は

業者:「全部で1700円です。」

と言って買い取っていきました。売りたくないけど怖くて断れなかったのです。

参照・参考:テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」

他にも、「買い取らないと、僕の営業成績に響くんです」と泣き落としにきたり、「さっきのお宅では指輪の空箱を800円で買いました。」と嘘をついて信用させようとしてきたり…

ありとあらゆる手で、とにかく物品を安く買い取ろうとしてきます。

また、こうした悪徳な業者は年がら年中「買取キャンペーン」を行っていることもありますので、「今売らないとタイミングを逃してしまう」なんて絶対に思ってはいけません。

押し買いで狙われやすい品

押し買いで被害にあいやすい品目は、

  • 宝飾品
  • 眼鏡
  • 時計
  • 金(金歯、金貨など)
  • 古銭
  • 着物
  • 自動車

などが該当します。

どれも原価は高級なものばかりですね。押し買いをする悪徳業者はあり得ない安い金額で買い取って高く売り飛ばすことで利益を得ているのです。

決して許すことのできない話です。

押し買いが増えた背景

なぜ近年こんなに「押し買い」が社会問題になって、テレビでも取り上げられているのでしょうか。

そこには、現在社会ならではの社会問題が関係していました。

原因1 超高齢社会

高齢者は財産を家に溜め込んでいるという印象を悪徳業者に持たれていますので、狙われやすいのです。

認知症患者も増加してきており、業者のターゲットになりやすい層の人口は今後も増えていくでしょう。

原因2 金の価格高騰

金の価格が高騰している時に、質屋に18金の指輪などを持っていくと、まったく同じものでもタイミング良く高く売れることがあります。

査定額は金のレートに比例して高く売れるわけです。

この機会を悪徳業者も見落としません。

金の価格が高騰すると、数千円で巻き上げた金製品をより高い金額で売り飛ばせるということです。

金は安全資産と呼ばれていて、世界情勢が不安定な時に金の価値が上がりやすいですので今後も注意が必要です。

原因3 「終活」「断捨離」ブーム

時代の変化から日本人の価値観は大きく変わり、ものを持たないことに良さを見出している人が増えてきました。

「断捨離」「終活」や「ミニマリスト」という言葉もよく耳にするようになり、「家にある不要品を売りたい」というニーズが高まっています。

なので、「ものが足りない貧しい地域に送る不要品はないですか?」などと言われると不用品をすすんで譲りたいと思う人も多いでしょう。

「押し買い」の場合、実際に家に招き入れると待っているのは「脅し」なわけですが…。

押し買いの手口にひっかかったと思ったら…

もしあなたやあなたの家族が「押し買いにあってしまった」と自覚しているなら、真っ先に
188(イヤヤ)に電話をかけ、消費生活センターに相談してください。

8日以内だったら、たとえ悪徳業者が別の誰かに売り飛ばした後でも取り戻せる可能性があります。

 

 

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